私の家族

こんにちは
 私の名前は島村すぴか。小学4年生。私の家は海のすぐ近くなの。
そこで、お父さんとお母さん、双子の弟すばるとギルモアのおじいちゃん、
それに赤ちゃんのイワンと暮らしているわ。
(普段はこの6人なの。時たま人数が増えることもあるけど。)

 イワンは一ヶ月の半分くらい眠っていて、ずーっと赤ちゃんのまんまなの。
お母さんは、私たちの一ヶ月がイワンの一日って説明してくれたけど・・・
それって一年で12日しか歳を取らないって事かナ。
よく分からない。でも、イワンがおきている時は楽しい!
とっときの手品(ってイワンが言ってた)を時々見せてくれるし、
頭の中でおしゃべりもするのよ。こんな赤ちゃん、どこを探したっていないわよね。

 おじいちゃんはいつも、「すぴかはいい子だね」って優しく頭をなでてくれるわ。
(すばるにもそうするの。)イヤじゃないけど、そういうのって小さな子にするもんじゃない?
もう4年生なんだし、なんだか恥ずかしいな。
すばるもおんなじこと言ってるわ。おじいちゃんは、
ロボット工学とかいうものの研究をしていて、
よくお部屋に閉じこもって、ごそごそやっているの。
そんな時、「お食事ですよ〜」って呼びにいくと、
「今行くよ」ってお返事が返ってくるけど、
たいていダイニングにはやってこないの。
夢中になりすぎてご飯を食べるのも忘れちゃうみたい。
おじいちゃん身体に良くないよ。

 すばるは私の双子の弟。お父さんとおんなじ、すこうし赤い茶色の目で、
髪の毛がひょんってはねてるの。今はそうでもないけど、小さい頃は泣き虫だったわね。
幼稚園で、ちょっと腕力のある子によく泣かされていたっけ・・。
そんなすばるを守るのは私。(お姉さんとしては当然よね)
最近、料理に興味があるみたいで、よくお父さんと一緒にキッチンで何かやっているわ。
男の料理とか言っちゃって・・・・。うちはね、お父さんも料理が上手なの。

 お母さんは、とっても綺麗で、いつもいいにおいがするの。
そしてお花や野菜を育てるのがすごく上手。
お母さんは、キッチンのドアから続くように自分の庭を持っていて、
そこに料理に使うハーブや野菜を育てているの。
「・・・でも、上手に野菜たちやハーブを生かしきれないのよね。勉強しなきゃ・・」
と言っています。
お母さんは昔、バレエをやっていたんですって。すごいなぁ。
たまにうれしいことがあると、お母さんはリビングで歌うように踊っていることがあるの。
見ているこっちまでうれしくなっちゃうような踊り・・。
それから、お裁縫もするよ。
そう、たま〜に、私やすばるの簡単なお洋服も縫ってくれる。
でもね、本当はとっても不器用なんだってジェットのおじさんが言ってた。
(おじさんじゃなくて、お兄さんと呼べってジェットおじさんは言うけど・・)
・・・・そうかなぁ。だってお母さんの料理はおいしいし、
お洋服だってセンスいいし・・・
そのことをお母さんに聞いてみたの。そうしたら、
「もう、ジェットたらぁ・・・」
って少し怒ってた。でも・・・・
「そうね、本当はお料理はともかく、お裁縫は得意ではないわね・・・。」
「え、そうなの??」私びっくりしっちゃったぁ。
それからお母さんが
「私は昔人だから、一応一通りのことは出来るのよ。」少しさびしそうに笑って、
お母さんがバレエをやっていた頃は、今みたいに何でも便利にそろって
いなかったから・・・ってそう言ったの。
昔人・・ムカシビト・・ってわかるような、わからないような言葉・・・・。
そのことも聞こうと思ったけれど、聞けないまま・・・。

 お父さんは・・・お父さんの手は優しくて、力強くて、大きいの。
小さい頃、そんなお父さんの手で高い高いしてもらうのが大好きだった。
お父さんは雑誌のお仕事をしていて、取材のためによく外国へ行くの。
そんな時はいつも、私やすばるのために何かしらのお土産があって、
それはそれで楽しみなんだけれど、それよりも、私は、お父さんに見せてもらう
外国の写真や、送ってくれる絵葉書(メールも良いけど絵葉書も送って、
ってお父さんに頼んだの)の方が楽しみなの。見たことも無い切手や、
行った事の無い風景を見るのはわくわくするじゃない。
「ただいま」ってお仕事から帰ってきたとき、私とすばるをぎゅっと抱きしめてくれるの。
ふわっとお父さんのにおいに包まれる時、なんともいえなくて、
幸せになる・・・。
それでさっきも言ったけど、料理が上手なの。小さい頃から、教会でよく
お手伝いしたせいで自然と覚えたんですって。そう、お父さんは教会で
大きくなったんですって。
あんまり詳しいことは話してくれないけれど・・・お父さんは、
自分のお父さんとお母さんの顔を知りません。
だから、ギルモアのおじいちゃんは、私やすばるの本当のおじいちゃんではありません。
私のウチって結構フクザツでしょう?(笑)

それから、これが重要なんだけど・・・お父さんもお母さんも、さいぼーぐなの。
すごいでしょ。他の人には内緒よ。2人は本当のお仕事というのを持っていて、
その、本当のお仕事の時は、赤いお洋服を着てお出かけをするの。
前にきちんと色々なことをお父さんとお母さんから説明してもらったんだけど、
難しいことはよく分からない。でもギルモアのおじいちゃんが、
私たちのおじいちゃんでよかったし、お父さんとお母さんが、
私たちのお父さんとお母さんでよかったし、イワンが私たちのお兄ちゃん
でよかったって思ってる。本当よ。

 えっ?私?私は、お母さん譲りの碧の目に、外にカールしていく
癖のある髪の美少女よ!(自分で言っても仕方ないか)。
島村家の女の伝統で(?)、ちょっと不器用だけれど元気だけはいいわよ。
いつかお父さんの助手として、世界中を取材するのが夢なの。

あっ 「ただいま」って今玄関から声が聞こえた。
お父さんが帰ってきたんだわ。早く行かなくちゃ。
絶対に,お母さんよりもはやくお父さんに抱きつくのよ!!
だってだって、お母さんが私達より先にお父さんをお出迎えしたら、
子供の私達の目の前おかまいなしに、チューって・・・
暫く、大好きなお父さんがおあずけになっちゃうのよ。
ラブラブなのはいいけど勘弁してよってカンジ。
そうなっちゃう前に、今日こそは、私が一番に飛びつくんだから!
学校のお友達のどのお家でもウチのお父さんとお母さんみたいにしている
ところはないのよ。もうもう・・・!!
って前にぶーぶー私がすばるに言ったら
「しょーがないと思うよ。お母さんフランス人なんだし・・・」
って冷めた目つきで言われちゃった。
ってこんなこと言っている場合じゃないわ。

じゃあまたね。


島村家がこんな感じだったらいいなぁ〜と、私の頭の中にあるイメージを、すぴかに語って
もらいました(笑)すばるがおとなしめで、すぴかが活発なら面白いかも、とお友達の
シュレ猫さんが提案してくださいまして、あぁ、それいいね ということで、
このようになりました。

                                    2003.5.27

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